企業の取り組み

株式会社肥後銀行

住所
〒860-8615
熊本市中央区練兵町1
電話
096-325-2111
URL
https://www.higobank.co.jp/

「雨庭」の普及とアマモ場の再生で環境保全に貢献

肥後銀行は熊本を地盤にした地方銀行として地域経済の発展に寄与してきました。サステナビリティ推進室を2018年に設立して全行を挙げてSDGsを推進し、20年には企業のSDGsの取り組みを支援するコンサルティングを開始。昨年4月にはSDGs学習施設を開設しました。今後も地域の持続的な発展と自行の企業価値向上を図りながらSDGsの実現を目指します。

 

 肥後銀行は長年、阿蘇「大観の森」での広葉樹林化や「水掛けの棚田」の復活など、熊本の宝である地下水の保全活動に積極的に取り組んできました。昨年3月には「熊本ウォーターポジティブ・アクション」を始動。大手半導体メーカーの進出を契機に開発が進む菊陽町や大津町周辺で、土地開発に伴う地下水涵養量の減少を緩和するため、自然環境が持つ機能を生かす「グリーンインフラ」の普及に取り組んでいます。

雨水を貯留し地下水涵養

 昨年3月、肥後銀行など6団体は産学金協働による「熊本ウォーターポジティブ・アクション」の取り組みを開始し、「雨庭」と呼ばれるグリーンインフラの普及を進めています。雨庭は、屋根やアスファルトなどに降った雨水を一時的に貯留して地下に浸透させるとともに、排水路や河川にゆっくり放流させる庭のこと。雨庭を設置することで地下水涵養につながるほか、洪水の抑制や生物多様性が向上するなど多面的な効果を発揮します。 同行は2023年5月に、熊本県立大学が主体となって設立された「くまもと雨庭パートナーシップ」にも参画。この団体は雨庭の整備と普及を目的とし、2030年までに2030カ所の雨庭整備を目標に掲げており、同行の施設も含め、現在、県内53カ所で整備を終えています。また、住宅メーカーや造園事業者に向けた勉強会なども開き普及を推進しています。

 肥後銀行は独自の取り組みとして、雨庭を設置する個人住宅への住宅ローン金利を優遇するほか、雨庭パートナーシップが認定する雨庭設置企業への融資金利の優遇を実施しています。同行は「雨庭のさらなる普及促進に向けて設置費や維持費に充てていくため、大学と連携して雨庭の地下水浸透量などを評価・認証し、その価値をクレジット化するような新しい金融手法の開発にも取り組みたい」と話します。

 

       従来の雨水

       雨庭のある雨水

従来の雨水は雨水管を通って水路や河川に排出されますが、雨庭は雨水を一時的に貯留し土壌に浸透させ河川への流出を抑えます

熊本県立大学に設置された雨庭

 

 学生の環境活動を応援

 地下水の保全活動を進める一方、肥後銀行はCO2など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ排出量を実質ゼロに抑える「カーボンニュートラル」や自然環境を再生するネイチャーポジティブも推進しています。

 24年11月、同行は芦北町と芦北町漁業協同組合、芦北高校、鹿島建設、肥後の水とみどりの愛護基金の6者で「芦北地域におけるアマモ場等の再生に関する連携協定」を締結しました。

 海中で生育する植物(海草)であるアマモはイカ、エビ、魚などの産卵や生育の場として重要であると同時に、光合成で海水や大気中のCO2を効率的に吸収し、海底の泥の中に分解しない炭素として数百年以上固定するのが特徴。芦北高校では長年、アマモ場の再生活動に取り組んでおり、協定企業がこの活動を支援しています。

 また昨年3月、芦北高校は協定企業の支援を受け、海に貯留された炭素「ブルーカーボン」を定量化して取引可能にした「JブルークレジットR」を取得しました。高校生によるクレジットの取得は国内で初めてです。

 肥後銀行は、取得したCO2吸収量31㌧分のクレジットを20分割し、一口を16万5000円で企業に販売。その売上金を芦北高校のアマモ場再生活動資金に充当し、購入企業と学校や地域との交流を進めています。同行は「未来を担う学生たちと協働するプロジェクトなどに、今後も積極的に取り組んでいきたい」としています。

 

芦北高校のアマモ場再生活動の様子