企業の取り組み

新産住拓株式会社

住所
熊本市南区近見8-9-85
電話
096-356-1500
URL
https://www.shinsan.com/

「住まいを拓(ひら)く」が企業使命

 創業58周年を迎えた住宅メーカー。「住まいを拓(ひら)く」を企業使命に掲げ、県産材を中心とした「近くの山の木」で住まいづくりを手掛けています。県内の注文住宅・新築一戸建てで累計6000棟を超える実績。地域材を天然乾燥させることで、木材輸送の燃料やCO2も大幅削減でき、環境負荷を減らす取り組みにも尽力しています。

代表取締役社長 小山 英文

熊本市出身。中央大学理工学部管理工学科卒業後、ハウスメーカーに勤務。1992年、同社に入社。2006年から現職。

住まいづくりを通して地域社会に貢献

 熊本県が認定する「SDGs登録事業者(第1期)」の新産住拓は、住まいづくりを通して地域社会に貢献する企業です。

環境に配慮した住宅建築の取り組みが認められ、今年6月には3度目となる「くまもと環境賞」を受賞しました。

 

地産地消の住まいづくりで地球環境保全を推進

 同社は20年以上前から、熊本県を中心とした山で伐採した木を化石燃料を用いた人工乾燥ではなく、太陽と風の自然エネルギーによる「天然乾燥」にこだわってきました。また、独自の木材流通産直システムにより木材の輸送にかかる燃料消費を抑え、CO2を大幅に削減しています。木材の地産地消で環境負荷が少ない住まいづくりが評価され、今年6月には県の「くまもと環境賞」で部門賞「くまもと自然共生賞」を受賞しました。

 同社は全国の工務店や木材加工業者と協同組合を組織し、九州大学と共に「木の家と健康の関係」について共同研究も進めています。小山英文社長は「木の家がもたらす心地良さを体感できる『宿泊体験館』を県内4カ所に準備しています。実際に泊まってリラックス効果を感じてほしい」と話します。

 

木を活かした設計で受賞 省エネ・創エネ住宅も普及

2022年度グッドデザイン賞を受賞した「共育(ともいく)の家」

 地域材を積極的に活用した「くまもとの木の家」の設計デザインにこだわり、2010年度より17作品がグッドデザイン賞を受賞しています。また、省エネ・創エネ・断熱性能の向上により、快適で安心な暮らしを実現し、家計や環境にも優しいZEHにも積極的です。今年4月〜10月で、普及率85%を達成しています。ZEHをさらに進めたLCCM住宅(※1)では、最高ランクの5つ星を全国初認証。さらに、耐久性で最高レベルの「耐震等級3」と「長期優良住宅」を標準仕様として採用し、優れた防災力や災害後の対応力を併せ持つレジリエンス住宅の普及にも努めています。

 6月には経済産業省の「連携事業継続力強化計画」の認定を受けました。これは、単独企業では対応できないリスクに対応するために連携して事業継続力を強化し、防災・減災の事前対策、災害時の相互協力体制を予め整えるもので、同社と3社のグループ企業が計画を策定。「災害時のリスクを低減し、お客さまや従業員を守るために取り組みを始めました」(小山社長)

9月にオープンした第4期「熊日RKK住宅展」

 

〝働きたい会社〟ナンバーワンを目指す

 社員一人一人の成長に寄り添い、夢をかなえることを応援する同社は、職場環境の整備に力を入れています。一昨年には「熊本県男女共同参画推進事業者」「よかボス企業」に認定され、経済産業省の「健康経営優良法人」や県の「ブライト企業」には3期連続で認定されています。「〝働きたい会社〟ナンバーワンになるのが目標です。お客さま、従業員、取引先の皆が幸せになることが、当社の存在する価値だと考えています」と小山社長。企業の軸となる人財の育成も重視し、同社では毎月1回の個人面談を6年以上継続。これからも働きがいのある企業、地域社会に必要とされ続ける企業を目指します。

※1 / LCCM住宅:住宅の建築から廃棄までの一生涯に排出するCO2をゼロ以下にする住宅