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多文化共生×防災 つながる交流会(熊本市)

 

 熊本で暮らすさまざまな国の人たちが一堂に会し、旧知の人と親しく語り合ったり、初対面同士が名刺を交換したり。会場の熊本市のレストランはにぎやかな話し声が飛び交い、近くの人の声も聞き取れないほど。「つながる交流会」は、災害時の外国人支援を目的に始まった交流会。外国人コミュニティー同士が顔の見える関係を築く貴重な機会となっており、SDGsのゴール10「人や国の不平等をなくそう」や、16「平和と公正をすべての人に」につながっています。 

 

災害時の外国人支援広がる連携 

 6月末開かれた交流会には、ネパールやベトナム、中国、米国など12カ国から約40人が参加。和気あいあいとした雰囲気の中、食事をしながら近況を語り合っていました。 

 

12カ国から約40人が参加した「つながる交流会」。和やかな雰囲気の中、お互いの近況を語り合っていた

 

地震や豪雨で置き去りに 

 交流会は、熊本地震や熊本豪雨の際、外国人の住民が避難所に行けないなど置き去りになる傾向があったことから、「多文化共生×防災」の観点での取り組みができないか、とNPO法人くまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD)や国際協力機構(JICA)熊本チーム、熊本市国際交流振興事業団などが中心となって昨年始まりました。これまで5回の交流会を実施。災害時の困り事や必要な支援について意見を交わすのはもちろん、普段からつながっておけば、いざというときにもお互いに連絡を取れる関係が築ける、と気軽な食事会などを続けています。 

 KVOADの樋口務代表理事は「例えば日本人が外国で災害などに遭遇した時、どこに連絡したらいいのか分からないでしょう。逆も同じで、外国人にとって情報不足が一番不安なんです」と話します。 

 そこでKVOADは、リーフレット「くまもとのがいこくじんこみゅにてぃじょうほう」を作成。在熊本ベトナム人協会や熊本ネパール人協会、熊本フィリピン人会といったコミュニティーにつながる二次元コードを載せて、困っている外国人がいたら手渡してもらうよう呼び掛けています。リーフレットは5千部作り、熊本県や県内自治体、社会福祉協議会などに配布しました。 

 

KVOADが作成したリーフレット。外国人コミュニティーと連絡が取れるように二次元コードがついている

 

選ばれる熊本」へ 

 

 一方、外国人の側も、支援を受けるだけではなく地域のためにできることがある、と声を上げます。交流会に参加していた熊本ネパール人協会顧問のデブコタ・ハリさん(42)は熊本に暮らして17年。「スポーツイベントをやったり、ほかの外国人コミュニティーとの情報交換や文化交流を進めたりして、地域と外国人との橋渡しができれば」と話します。 

 外国人技能実習生の監理団体や受け入れ企業、在熊外国人の協会などでつくる任意団体「KUMAMOTO KURASU(くまもと くらす)」の遠藤浩昭会長は「少子高齢化が進む日本で外国人から『選ばれる熊本』となるためには、外国人が『熊本には頼れる人がいるよ』と口コミで広めてくれるのが一番。今いる外国人が熊本に愛着を持って、より居心地が良くなるように、地域とのつながりを強めたい」と言います。 

 熊本で暮らす外国人は約2万5千人といわれ、台湾積体電路製造(TSMC)の進出などもあって年々増えています。その人たちを「誰一人取り残さない」(SDGsの理念)ためにも、交流会の役割は大きいようです。 

 

 


ココがポイント!

ごちゃまぜ」で助け合う

 

一財)くまもとSDGs推進財団

代表理事 

徳永伸介さん 

  

 

 

 

 

災害が起きた時、人種や宗教に関係なく助け合うためには、異なる文化を理解し、尊重することが不可欠です。特に災害時はさまざまな情報を知る必要があり、多くの言語での情報支援が必要です。 

 そのためには、日頃から外国人同士のつながりをつくることに加え、それぞれが暮らす地域の日本人とつながりを築くことが大切です。日本人と外国人が地域で交流の機会を得るには、地域行事に誘い合うなど、みんなと『ごちゃまぜ』で助け合える環境づくりが重要です。こうした積み重ねが、災害時にも誰もが共に生き続けられるまちづくりにつながります。