肥後銀行は1925年7月の創立で、熊本を地盤にした地方銀行として地域経済の発展に寄与してきました。サステナビリティ推進室を2018年に設立して全行を挙げてSDGsを推進し、2020年には企業のSDGsの取り組みを支援するコンサルティングを開始しました。今年4月には100周年記念事業の一つとして、SDGs学習施設をグランドオープンします。
肥後銀行は、SDGs達成に向けたさまざまな取り組みを進めています。その一環で、「地域の未来を担う子どもたちに、SDGsを実践的に学べる場を提供したい」との思いから「くまもとSDGsミライパーク」(以下、パーク)の開業を決定。昨年10月に一部開業し、4月7日にグランドオープンします。同行が教育施設 を手掛けるのは今回が初めて。金融機関がSDGsの教育施設を立ち上げるのは全国でも他に例がありません。
大きな立体ロゴがパークの目印
場所は「阿蘇くまもと空港」の敷地内にある「そらよかビジターセンター」の一角。2023年の空港ターミナルビル建て替えの際に造られた仮設ターミナルを利活用しています。約1300平方㍍のパークには、ワークショップエリア、企業のSDGsに向けた取り組みを紹介する展示エリア、SDGsに関連するアイテムを扱うショップを設置。主に社会科見学や修学旅行で空港を訪れる県内外の小中高校生を対象にSDGsを題材とした体験型の学びを提供します。
営業時間は9時〜19時、入館料は小学生以上1人500円。ワークショップ参加は要予約で、別途料金が必要、15〜300人の受け入れが可能です。パーク内の見学は1人からできます。
ワークショップの様子
ワークショップエリアの机や椅子は廃校となった学校のものを再利用
パーク館長の佐藤香織さんは、「子どもたちは学校の授業でSDGsの概要は知っています。次に大事なのは、『自分に何ができるのか』を考えて実践すること。それに気付いてもらうことが当施設の役割」と話します。
そのためのワークショップの一つが、「SDGs実行プログラム」です。まず、ファシリテーターがSDGsについて参加者に説明します。次に企業の展示ブースを見学し、企業のアクションをヒントに自分にできることを探究、自分事として落とし込みをしていくという流れです。
これまでに複数回、学生たちへ実施したそうで、「修学旅行先で自分にできるアクションを実践した」など、うれしい感想が届いていると佐藤さんは話します。
また、パークはSDGs視点で自分の将来の進路や生き方について考える「キャリア探究」にも力を入れています。SDGsが浸透し、課題解決への意識を持っていることが評価される時代になっているからです。そのために設けたワークショップ「キャリアプログラム」では、参加者は出展企業の取り組みを学び、将来に向けてどんな仕事をしたいのか、自分には何が向いているのかを探究します。
「子どもたちが将来を考えるときに、職業だけでなく『◯◯に取り組んで社会を良くしていきたい』といった思いもキャリアにつなげていく必要があります。企業の展示ブースでの学びは、その大きなヒントになるはず。パークでは、さまざまな業種の企業の取り組みを一度に見学することができます」(佐藤さん)。
SDGsに関するアイテムを扱うショップ