企業の取り組み

株式会社 再春館製薬所

住所
上益城郡益城町寺中1363-1
電話
096-289-4444
URL
https://www.saishunkan.co.jp

自然の恵みを自然へ返す 全国の顧客参加型施策も

 株式会社再春館製薬所は、化粧品や医薬品を製造販売するメーカー企業です。今年50周年を迎えたロングセラー商品の基礎化粧品「ドモホルンリンクル」をはじめとする製品を独自に研究開発。販売、発送まで一貫して行うことで、顧客一人一人に寄り添った対応を可能にしています。また、ものづくりに不可欠な自然を守り育むための活動にも積極的です。

化粧品事業部 喜多 海人さん

化粧品製造に16年従事した後、化粧品事業部へ。現在は会員向けサービス運用チームの責任者。

熊本の地下水資源を未来へ

 今年4月、再春館製薬所は、基礎化粧品「ドモホルンリンクル」の売り上げの一部を「くまもと地下水財団」に寄付しました。同ブランドが50周年を迎えたことに対する感謝施策の一環として、2028年度までの5年にわたって継続的に寄付を行う計画です。

 寄付金は、熊本の地下水を守り、さらに豊かにしていく地下水涵養推進事業に活用されます。「熊本の豊かな地下水資源を守り、未来の子どもたちや、そのまた子どもたちへと引き継いでもらいたい」との同社の思いに賛同する、全国の顧客参加型の新しい取り組みです。

 

くまもと地下水財団の理事長である大西一史熊本市長(左)から感謝状を受け取る再春館製薬所の西川通子会長(右)=2024年7月2日

 

自然と共生する製品づくりを

 再春館製薬所は「人間も自然の一部」との理念のもと、自然に負担をかけない製品づくりに努めています。2001年に誕生した、本社機能と工場が一体化した再春館ヒルトップは、阿蘇に近い約28万㎡もの広大な敷地のうち緑地が約7割を占めています。化粧品づくりに欠かせない阿蘇の水についても「必要な分だけを使う」「使ったら返す」との意識を強く持ち、製造に使った後の水は浄化して敷地内の散水などに利活用。トイレは再生水利用率100%を達成しています。さらに、緑地に降り注いだ雨水は地下へと浸透させ、長い時間をかけて涵養することによって、地下水採取量の1・6倍にあたる年間20万㌧もの水を自然に返しています。このようにさまざまな取り組みを通し、一滴もむだにしないよう徹底して熊本の地下水を大切に扱っています。

 

豊かな自然に囲まれた、再春館ヒルトップの全景(益城町)

 

自然に感謝する風土を醸成

 再春館製薬所の自然との共生を目指す持続可能な取り組みは他にも数多くあります。例えば、再春館ヒルトップには「太陽の畑」と呼ばれる巨大な太陽光発電設備があり、年間使用電力の100%をつくり出しています。オフィスには多くの天窓を採用し、自然光を取り入れることで照明電気量を削減。氷蓄熱空調システムや集光器も導入して、省エネ化を進めています。

 その他、医薬品の製造で生じる生薬の煎じカスは堆肥化して敷地内の畑にまき、その畑で育てた野菜を社員食堂で使用するユニークな取り組みも。工場資材のリサイクル率は99%で、全社員が日々の業務の中で循環を身近に感じられる仕掛けを導入することで、自然に感謝する風土が醸成されています。

 自然を守るだけでなく、育み、自然に返す、持続可能な環境保全活動を―。熊本の地に根を張り、地球に住まう自然の一員として、全社員が力を尽くすのはもちろん、全国の顧客や地域の人とともにできることを追究し、人と自然とつながる企業であり続けることを目指しています。

 

熊本の地と人々を潤し続けてきた地下水を未来につなげ、育てるため、寄付をはじめとする保全活動に取り組んでいます