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「デコ活」って何?  熊本連携中枢都市圏

脱炭素へライフスタイル見直そう 

 「デコ活」という言葉を知っていますか? 「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」のことで、環境省が提唱して2年前に始まりました。熊本市と近隣市町村の計20自治体(※)で構成する熊本連携中枢都市圏は、SDGsのゴール13「気候変動に具体的な対策を」につながるデコ活を住民に広く知ってもらい、できることから始めてもらおうと呼び掛けています。 

 デコ活とは二酸化炭素(CO2)を減らす脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)、それに活動・生活を組み合わせた造語です。2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向けて、一人一人のライフスタイルを見直してもらおうと始まりました。 

 とはいえ、今年3月に環境省が公表した消費者アンケート調査によると、デコ活の認知度は約25%にとどまり、一般に浸透しているとは言い難い状況です。「普段の暮らしの中でどういったことが脱炭素につながるかをまず知ってもらい、行動に移してほしいと思います。それは決して難しいことではありません」と熊本市の環境推進部脱炭素戦略課の村田一広さん(41)は話します。 

 

地道な取り組みを 

 熊本連携中枢都市圏の市町村の調査によれば、都市圏の20年度の温室効果ガス排出量は650万1千㌧。基準年度の13年度に比べて34・8%減と着実に減少しており、25年度までに33%以上減という短期目標は既に達成しています(図1)。ただ、50年までにカーボンニュートラルを実現するためには、住民一人一人の意識の向上と各家庭での地道な取り組みが欠かせません。 

 

 では、具体的にはどうすればいいのでしょうか。家庭からの二酸化炭素排出量で多いものは自動車や照明・家電製品です。エアコンや冷蔵庫、照明などを買い替えるときに、省エネタイプのものにして節電に取り組みましょう。「買い替えに補助金を出している自治体もあるので積極的に使ってほしいです」と村田さん。 

 また、環境に優しい次世代自動車を選んだり、できるだけ公共交通や自転車、徒歩で移動したりするのも効果的です。ほかにも環境に配慮した服を長く大切に着ることや、ごみの分別の徹底、マイバッグ、マイボトルを使うなどがあります。地産地消を進め食べ残さないようにする、宅配の再配達を極力なくすなどもデコ活につながるでしょう。

 

環境省が制作した、脱炭素につながる暮らしのイメージ図 〈出典〉デコ活 ウェブサイト(https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/#kv-map

 

 

環境問題を自分事に 

 熊本連携中枢都市圏の各自治体では、そうした意識を高めようと学校に出向いて環境教育を実施したり、ホームページなどで省エネの取り組みを呼び掛けたりしています。来年度は環境問題を自分事として捉えてもらうためにワークショップも開く予定です。「普段から家庭でできることはたくさんあると思います。子どもから大人まで、ぜひデコ活に取り組んでほしい」と村田さんは話しています。 

 

 ※熊本市、玉名市、山鹿市、菊池市、宇土市、宇城市、阿蘇市、合志市、美里町、玉東町、大津町、菊陽町、高森町、西原村、南阿蘇村、御船町、嘉島町、益城町、甲佐町、山都町の20市町村で構成 

 

熊本連携中枢都市圏が取り組む環境教育に関する出前授業=5月、必由館高校


ココがポイント!

 

小学校の木工授業に協力  新産住拓

 

 新産住拓は11月29日、力合小(南区)で3年生を対象とした「木のモノづくり授業」に講師として参加しました。授業の目的は、ノコギリの使い方を学び、木材で自分の作りたい物を形にすること。児童は同社社員の指導の下、自由に制作に取り組みました。同社は2017年から、こうした小学校での出張教室などの木工教室を開催しています。今後も地域貢献活動として継続していきます。